より良い助言を求めていこう〜助言者の話〜

3枚公開して、左隣のプレイヤーが選んだ1枚以外の2枚を手札に加える。これが助言者。
ではこの効果を「3枚公開して一番強いカード以外を手札に加える」と読み替えることは正しいだろうか?
ただし、下家が自分と結託するために強いカードを故意に残す場合は考えないものとする。


ただのお金プレイデッキの場合、上記の読み替えは正しい。例えば「金貨、銀貨、屋敷」って公開したらどう考えても金貨を落とされますね。
ではちょっと+要素があるお金プレイ、例えば「研究所、銀貨、銅貨」と公開したら?
この場合手札の金量は不明なので研究所と銀貨で落とすべき方を落とせないこともあるでしょうが、まあ前のターンまでの動きや手札枚数から推理していけば、どっちが高いかある程度の自信を持って選べるはずです。

このように、「相手がそのターンに何を求めてるかわかりやすいデッキ」、すなわち「デッキ内容が比較的単純なデッキ」における助言者については、確かに一番強いカードを落とされる確率がかなり高いですね。

では複雑なデッキならどうでしょう。
例えば国境の村、改築が何枚か、そして財宝がそれなりのデッキ使用者の助言者が「国境の村、銀貨、元手」って捲った場合、どれを落とすべき?
手札に改築があると思うなら国境の村を落とすのが最適。でも改築ないなら無意味。
また改築ないと思う場合、手札に6金ないと思うなら元手を落とすべき。でも実は6金や7金だったら借金トークンの分銀貨を落とすべきだったことになる。
まあそれでも確率さえ考えれば……とかいっても、プレイされないなら改築のありかはわからないし、無駄な金量を持っていたかも推定するしかできない。正直自信もって答えるのは不可能です。

このように複雑なデッキ、言い換えると「勝利点を稼ぐ手段が複数あるデッキ」においては、助言者は「一番強いカードを落とされるカード」ではなくなるのです。
勿論観戦者の視点からは「一番強いカード」は自明ですが、プレイヤー自身は相手の手札はわからない。
これによって助言者は「それなりの頻度で2番目に強いカードを落とすカード」、さらには「それなりの頻度で一番弱いカードを落とすカード」にもなるのです。
こう考えると助言者は引き切り以外でもかなり活躍するカードに見えてくるはず。


さて、ここまで助言者が強くなるデッキについて紹介してきましたが、実際に助言者を使う場面で役に立つ、心理的な側面からのテクニックを一つ紹介しましょう。
例えば引き切りに助言者を混ぜてるとしましょう。
で手札が助言者村執事執事民兵って感じになったとします。凄い事故りそう。村引けなかったら終わり。
ここで何からプレイするか。割と助言者からプレイする人が多いんじゃないでしょうか。
まあ確かに手札の中身を推定されたくはないですが……僕ならあえて村からプレイします。

助言者を打って村、ドローカード、財宝と捲った場合。下家が村を落とすかドローカードを落とすかは正直未確定。運次第です。
でもここで村→助言者と打って「村、ドローカード、財宝」と捲ったら?
下家視点ではアクションはもうどうせ増えてるから、ドローソースを引かせない方が優先と思いやすいはず。デッキを回転させたくないと思うのが人の心理だから。
勿論村を重視して村を落とす人もいるでしょうが……経験上大抵ドローカードが落とされますね。
やはりアクションが既に増えてることが、村を落とすメリットを感じにくくさせるのです。
このように相手の心理を上手く誘導するプレイングも、考えてみると結構面白いですよ。


助言者?強いカードを落とされるから弱いからなあと躊躇するそこのあなた。
強いカードを強いと悟られにくいデッキを作りませんか?