ステロの構造分析と「複合」の勧め

今回は、ステロってそもそもどういう構造でお金プレイより優位なのかについて語ろうかと。

最初に言っときますが、とくに真新しい考察とか期待しないほうが吉です。


ドミニオンは基本的にターンの始めは手札5枚です。属州を買うためにはこの5枚で8金を出さなければいけません。

どうやって8金を出すか構造的に考えると

ステロといわれている戦術は


1鍛冶屋ステロ系列

よろずやステロ系列


の二つに分かれます。

以下ではそれぞれについて分析します。


1.鍛冶屋ステロ系列

鍛冶屋ステロ系列とは、ドローカードを用いて手札を6枚以上にするステロのこと。

具体的には、鍛冶屋以外に中庭、船着場、大使館、地下墓所、熟練工など。


これらのステロがなぜお金プレイより強いか?

それを説明するのにここでは鍛冶屋と銀を比較します。


初期デッキ10枚の合計金量は7金、1枚当たりの平均金量は0.7金。

このデッキに鍛冶屋をいれると、鍛冶屋が生み出す金量の期待値は2.1金。

この段階では鍛冶屋と銀貨の期待値は0.1金しか変わらない。

しかし例えばこの初期デッキに

金貨1枚、銀貨3枚が加わったデッキ(大体6ターン目を想定)

このデッキに鍛冶屋を入れると、鍛冶屋は

(7+2×3+3)÷14×3≒3.4金を期待値的にもたらしてくれることになります。

これは明確に銀貨より上、どころか金貨より上。

また、鍛冶屋はデッキを三枚掘る分、デッキ回転を早め銀貨より多く手札に来る。

よって鍛冶屋は銀貨より強いということになります。


さてこの系列のステロの強みは何かというと、回転力を生かした速効性。

逆に弱みは何かというと、1ターンに「財宝を買う」か「勝利点を買う」のいずれしかできないため、

よろずやステロ系列に比べて銀貨金貨の絶対枚数が少ないこと。

その結果勝利点を買いだしてからは当然平均金量が急速に下降。回りによっては公領すら買えないターンもやってきますね。


よろずやステロ系列

よろずやステロ系列とは、屋敷を廃棄or財宝安定供給によって手札5枚で8金出すステロのこと。

よろずや以外では探検家、隠遁者など。また肉屋や商人ギルドといったトークンステロもここに含めます。


これらのステロがなぜお金プレイより強いかはまあ一目瞭然なので省きます。アクションカード単体で銀貨以上の働きをすることが確定しているので。


この系列のステロの強みは、安定した持続力があること。

例えばよろずや。このカードは序盤屋敷を銀貨に変換し、それ以降も、そして勝利点を買い始めてもデッキを圧迫せずに銀貨を継続的に供給するのでデッキが腐る速度が遅い。

また肉屋や商人ギルドは、使用するたびに2トークンが供給されるので8金を非常に出しやすい。最低でも公領は買い続けられます。

逆に弱みは、回転力はあまりないので鍛冶屋系列に比べて速効性で劣ること。

さらによろずやや肉屋の場合は屋敷を廃棄するので

その分の点数をどこかで取り返す必要があります。


このように

鍛冶屋ステロ系列は速効性、

よろずやステロ系列は持続性が売りです。


この両方の長所をステロで生かせないか?


大使館坑道、隠し財産、名品などの有力な戦術がありますが、

ここではステロの「複合」という戦術を紹介したいところ。


例えばよろずや銀から入って、途中で地下墓所を差す戦術。

よろずやで平均金量を底上げして、地下墓所のドローを強化するというわけです。

これがなかなか強い。

よろずやのかわりに隠遁者も有効。

また鍛冶屋ステロに1枚肉屋を差す、というのも面白いと思います。


複合戦術、単純に見えるステロ戦術に彩を与えてくれるので、サプライみて出来そうかな?と思った時はぜひぜひお試しを。

今日はこんなところで。